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コンピュータは道具です


第54回 「インターネットの世間話(その45 最近の出来事)」

Orange Network 2003年6月号掲載

AOLが「Netscapeの開発をストップする」と発表、事実上マイクロソフトのInternet Explorerの独占が 明確になりました。 そして 今話題になっているオラクル社(大量のデーターを管理するソフト)が同業他社であるPeopleSoft(業務ソフト)を買収しようとしたり コンピューター業界に新しい動きが発生してきました。 今回はコンピューター業界 特にソフト業界の動向をご説明します。

Netscape(ネットスケープ)の開発がストップ
我々がインターネットを使いホームページを見るには「ブラウザー」というソフトが必要です。ホームページをブラウズするために作成されたソフトです。 Mosaicという既に開発されている無料のブラウザーをベースに 1)マイクロソフト社のインターネット・エクスプロラーと2)AOLに買収されたネットスケープ社のネットスケープが市場を占めています。インターネットブームが始まった1995年ごろはほとんどのパソコンは有料のネットスケープを利用してホームページを見ていました。 市場の90%位はネットスケープが獲得していたわけです。そしてマイクロソフト社がウインドウだけではなく 「ブラウザー」ソフトも開発すると発表「ブラウザー戦争」が始まりました。しかしマイクロソフト社のブラウザーソフトであるインターネット・エクスプロラーが市場に出ましたが 使い勝手が悪いので 約5%しか市場を獲得できていませんでした。しかし月日が経つごとにマイクロソフト社のブラウザーが30%、40%、50%と市場を拡大してきました。そして今では日本語、英語はもちろん全世界のブラウザー市場の90%を獲得しています。 ネットスケープ社は約2年前にAOLに買収されAOLの1部門として開発を続けておりましたがAOL社とTimeWarner社合併の失敗、業績が悪化を理由に Netscape開発部隊をレイオフ、事実上Netscapeブラウザーはこれで終わりと言う事になります。つまり「ブラウザー戦争」はマイクロソフト社の勝利になったわけで約8年の期間を費やしました。この「ブラウザー戦争」のお陰で 我々は無料で配布されたブラウザーソフトを使ってホームページを見ていましたが 今後はこのまま無料が続くか 又は有料になるかは 分かりません。
市場に競争相手がいなければマイクロソフト社も馬鹿でないですから今までのように無料でブラウザーソフトを配布する代わりに ソフトを有料にしてくると予想されます。マイクロソフト社のやり方をみると最初は無料ソフトを配布して敵の市場を獲得し 敵がなくなると無料で配布されていたソフトを有料にする作戦を使いますね。

残念ならが マイクロソフト社の資本力とマーケティング力に勝てるソフト企業は存在しないわけです。私もマイクロソフトの商品を使っていますが 機能的にはNetscape社のブラウザーが好きです。 しかしウインドウをインストールすると自動的にマイクロソフト社のブラウザーが入ってきたら勝負にならないですね。自動的にマイクロソフト社の製品を使用してしまいます。昔はウインドウだけしか作らなかったマイクロソフト社も業務拡大ということで 最近はビジネスソフト(経理、在庫管理、生産管理等)の部門までありますし 昨日新聞発表された内容ですとマイクロソフトは自社製品であるアウトルック(個人コンタクト管理ソフト)と言うソフトの機能を拡張してCRM(顧客管理ソフト)製品として開発・販売を開始すると載っていました。ということは現在CRMのソフトを開発・販売している企業(例 Siebel、その他)の市場をマイクロソフト社は「ブラウザー戦争」みたく 「CRMソフト戦争」を開始するわけです。もちろんこれらのソフト戦争 良いか悪いか分かりませんが ご承知のように最後には資本力のマイクロソフト社製品が勝つわけです。

今年4月WallStreet Journalに面白い記事が載っていました。 記事の内容はNo.2ソフト社 オラクル社(データーベースを作成している会社)の社長 Larryさんのコンピューター業界の予言でした。 彼の予言では今後は大きいソフト企業しか生き残れないので 企業間の合併や買収が活発に起こるだろうと予言しました。そして 1年も経たないうちに ソフト業界は大きい企業しか生き残れないだろうと予言がありました。そして1ヶ月も経たないうち アプリケーションソフト社(業務ソフトを提供する会社)の大手であるPeopleSoft社が競争相手のJDEdwards社をフレンドリー買収すると発表ありました。 その発表から直ぐにオラクル社はPeopleSoft社を買収すると発表、ソフト業界は大混乱になりました。

オラクル社はマイクロソフト社と同じかなりの資本力を持っています。 データーベース・ソフトの業績が今後伸びる予想がないので 同業他社や自社製品でカバーできない商品をもっている企業を買収することで市場獲得と業績向上を図るわけです。 もしLarryさんの予言が正しいと今年は色々のソフト企業の買収があるでしょう。 弱肉強食 弱い企業はどんどん無くなり、強い企業 つまり資本力のある企業はどんどん大きくなっていくわけです。 良いソフト商品を作っているから生き残れるわけではありません。 Netscape社を見ればわかるとおり 幾ら良いソフトでも勝ち残れなければ負けと同じです。

家庭無線LAN、ウインドウズ2000、ウイルス関連 又過去の記事がWebページで見られるようにしましたので ご利用ください。

 

ご質問、ご意見等ございましたらE-mailでsupport@iscus.comまでご連絡下さい。
著者 : 桑原トーマス
UCLAコンピューター学科専攻

日系商社、日系ソフト会社を経て1994年にISCをアーバインに設立。
企業向け、個人向けのコンピューターのハード販売とサービス、ソフトの開発と販売、各種コンピュータクラス、インターネット関連のサービスとサポートを展開中。
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