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コンピュータは道具です


第16回 「インターネットの世間話 (その7) 」

Orange Network 2000年4月号掲載

前回記事を書いてから約1ヶ月経ちました。 つい先週株式市場の価格が暴落するなどこの4週間に色々の事が起こりました。 オレンジ・ネットワークを購読なさっている多くの方々が株式市場にいろいろな形で影響されておりますので 今回はコンピューター業界プロからの観点で株式市場を解説致します。 もちろん筆者は株式のプロでありませんので 株を買う時はブローカーや投資家のプロに相談なさってから買うのが良いと思います。 

さて先日司法省がマイクロソフトに対して独禁法に違反したと判決を出したのがきっかけで その後約1週間で NYSEとNASDAQの株価が暴落しました。 正確にはハイ・テックの株価が暴落しました。 この2週間でマイクロソフトのビル・ゲイツ氏は約11Billionドルを紙上で損失したことになります。 11Billionドルです! (余談になりますがビル・ゲイツさんが 路上を歩いていて1万ドル札が落ちているとします。 しかし彼はその1万ドル札を拾ってはいけません。 何故なら彼は1万ドル札を拾う時間があったら 別の事をすれば 1万ドル以上を稼げるそうです。 それだけ彼の時間は価値があるそうです! たいしたものですね、 ビルさんは。) 

ここオレンジ郡のハイ・テック会社も悪いところは約70%株価を失いました。 大半が40-60%の株価をこの2週間で失いました。 俗に言うDotComやE-Commerceの会社です。 米国のハイ・テック会社は日本のバブル時代みたいに 利益がないのにどんどん株価が膨れ上がったところがここ数年あります。 投資家やベンチャー・キャピタルの会社はインターネット会社と聞くだけで多額を投資しておりましたが やっとそのブームも消えかかっています。 インターネット会社と言う事で 直ぐ投資家が付き最初に必要な運転資金を調達、 そして投資家が期待している株式市場に上場するというブームはこれで峠を越した感じが致します。 言ってみれば"将来利益を出す"という理想で膨れ上がったインターネット会社の株価が現実の価格に戻ってきているので この株価暴落の裏事実でしょう。 ここ数年はアイデアとかっこいいWebsiteがあれば 最初の必要な運転資金を個人投資家が投資してくれました。 そして運転資金を確保した後 大々的に宣伝やプロモーションをかけてビジネスを活発にし 企業投資家であるベンチャー・キャピタルが第二回目の資金を調達してくれました。 第三回目に必要な資金は株式市場に上場し一般から資金を調達するというのが 一般的な利用された方法です。 しかしアイデアだけで利益を出していない会社、自分の会社に技術や独自の商品が無い会社は 今までインターネットブームと言う事でかなり安易に株を買っていた一般客は今後飛びついてこないですね。 利益を出しながら今後将来性があるインターネット会社を一般客は求めておりますので そういう会社は今後まだまだ伸びていくはずですが アイデアだけではこのインターネット戦国時代に生き残れるのは難しくなりました。 

と言う事で 今年の後半からはこういうDotComとE-tailer(インターネットで品物を販売しているお店)の倒産がどんどん現れるはずです。 E-tailerは現在30,000店位ございますが そのうちの25,000店はクローズするのが 業界の見方です。何故かというとインターネット上であまりにも 店舗ができてしまい競争過剰、大手Wal-MartやSearsが伝統的な店の他に インターネット上で商品の販売を開始する事、そしてベンチャー・キャピタルの資金が底をついた事などが大きな要素になっています。利益をまだ出せないインターネット企業は今持っている資金が無くなれば 次の資金をあてにできないので倒産が続発します。  既にクッキングサイトのCookExpressは倒産、大手ハード販売会社CDNowは資金に底をつきましたので 倒産するかも知れません。 ハイ・テック株がここまで落ちると投資家もリスクの多いところより 安全なところに投資するのが当然ですので 全体的にインターネットブームもスローダウンするでしょう。 もちろん全てのハイ・テック会社が悪いとは言えません。アーバインのBroadcom社は今後伸びるDSLモデムのハードを製造販売しておりますので まだまだ伸びますし、Cisco社はインターネット接続の骨組みを管理しているハードを製造販売しておりますのでまだまだ今後の活躍が期待されます。 その他SunMicro社はインターネットをホストしているサーバー関連のハード製造販売しておりますので 今後伸びるのは明確ですし、マイクロソフト社も今までのような急成長はできませんが インターネット関連に必要なソフトを製造販売しておりますので 今後伸びるのは明確です。 (よく考えると彼らの株は今が買い時かも知れませんね。) 今後皆様がハイ・テックの株を買うなら必ず確認して頂きたいのは その会社が特殊な技術や独自の商品があるか、既にインターネットの市場を獲得しているかどうかを 大切な判断要素に含んで下さい。 もし無いならリスクが多いのでその会社の株を買うのは避けた方が良いかもしれませんね。 これからは今まで見たくアイデアだけでは今後のインターネット戦国時代に生き残れません。 但し現在すでに市場を獲得している大手のAmazon.comやYahoo.comはインターネット戦国で今後活躍し市場を拡大しますが、 問題なのは 中小の消費者向けインターネット会社で特にインターネットで品物を販売しているE-tailerは今後大変苦しい時期に向かっております。 今年後半から年末 そして来年早々に たくさんのE-tailerが倒産するしょう。

ご質問、ご意見等ございましたらE-mailでsupport@iscus.comまでご連絡下さい。
著者 : 桑原トーマス
UCLAコンピューター学科専攻

日系商社、日系ソフト会社を経て1994年にISCをアーバインに設立。
企業向け、個人向けのコンピューターのハード販売とサービス、ソフトの開発と販売、各種コンピュータクラス、インターネット関連のサービスとサポートを展開中。
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